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 漫画の100冊「ただしい」の4 

サバイバル
(さいとう・たかお)

 地殻の大変動のためか、たったひとり地底に閉じ込められた少年。這い出た地上は全く見知らぬ世界だった。生きていくための道具作りから住み家作りまで、アウトドア系のハウツー本としてもよくできている。やっと辿りついた都会で動物園から逃げ出したライオンと出くわしたり、最後までハラハラが持続する傑作だ。
カリフォルニア物語
(吉田秋生)

 足の短い、等身のリアルなキャラクターが少女漫画で成立したことによって、少女漫画の世界が大きく広がった。いわゆるオトメチックからの脱却を果たした記念碑的作品。カリフォルニアからニューヨークにやって来たヒースたちの、アウトロー的生活のかっこ良さときたら。ヒースの芯のある生き方にロックを感じた。
家栽の人
(毛利甚八/魚戸おさむ)

 静かな漫画である。裁判という舞台を題材に、人と人との関わりを森や草花の生態に置き換えて、毎回実にこった展開で落とし込んでいっている。ネタ作りには相当に時間がかかっているに違いなく、久々にプロの仕事を見せてもらった。いい人がいっぱい出てきて、悪い人さえいい人に見えていく、そんな温かい作品だ。
沈黙の艦隊
(かわぐちかいじ)

 意見を主張しきるかわぐち節の熱気。登場人物みんなが強固なビジョンを持ち情熱的に意見を主張している。立場変われば正論も変わる。勇気を持って他人の意見に耳を傾けようというメッセージ。「国家とは」「世界とは」なんて論じるのがかっこ悪いとされるこの国で、こんなに熱い作品が書ける意欲が素晴しい。
トキワ荘青春日記
(藤子不二雄(A))

 トキワ荘の物語。日々ボーッと過ごしてるあたりの、いかにも無為な青春がどこか身近で好きだ。奇蹟のように才能が集まる中で、置き去りにされていく恐怖。ついつい横道にそれてしまうジレンマ。そんな中、やっぱり女の子と遊びに出かけてしまうのだ。人間みんな一緒だよね。ホッとするよ。漫画じゃないけど…。
漫画家残酷物語
(永島慎二)

 若いというだけで、人は苦しい境遇に追い込まれる。暴走、貧困、愛、自信、衝動、ためらい。永島氏の若い感情がこの連作にはそのまま満ちあふれている。わかっているのにできない苛立ち。明日の見えない不安。…胸かきむしられるような何かが潜んでいるのだ。きちんと整理されていない習作だからこそ持つ魅力か。



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