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 漫画の100冊「こせいてき」の1 

夢みる機械
(諸星大二郎)

 全てが思いどおりになる人生を目の前に提示されたらキミはどうする? ある日気がつくと、お母さんも町の人もみんな偽物になっている。よくある侵略ものかと思いきや…。実は、みんな理想の人世を夢の中で体験できるコールドスリープに入ってしまっていたという話。諸星氏のSF短編はなんせいつも秀逸だ。
寺島町奇譚
(滝田ゆう)

 今もCM等で目にするボヨヨ〜ンとした線。ふきだしの中で震える生活道具。細部まで印象的な滝田作品の、これが最高作。「ぬけられます」や「どぜうの命日」といったタイトルもいいし、描かれた下町の風情もいい。文庫になって全シリーズが一挙に読めるようになった。「泥鰌庵然々日記」の文庫が出ないかな。
夢の国のリトル・ニモ
(ウィンザー・マッケイ)

 アメコミです。漫画がアートとして捉えられた、おそらく最初の作品。ファンタジックな夢の国を夜毎さまよう少年ニモ。毎回1ページでだけ描かれる世界のなんという独創性。チンタラ長いだけの最近の漫画とはえらい違いだ。毎回必ずハッと目が覚めるところで終わるところも当時は斬新。実は100年も前の作品だよ。
水街
(ユズキカズ)

 この人の漫画の舞台はいつも商店街。南国の草花がハデハデしく幻想の街を彩る。瓜売りの娘の超色っぽい姿態と、あけすけさがたまらない。赤ちゃんにおっぱいをあげるお母さんが街中に溢れていた古き良き時代が蘇る。なんせ大らかな気分になれることウケアイだ。「マハラジャ日和」という単行本もなかなかだよ。
棒がいっぽん
(高野文子)

 懐かしい、心の奥底に潜む郷愁を呼び覚まされる作品集。一番のオススメは「東京コロボックル」で、コロボックル(小人)が、ボクらの世界のテレビの中に住んでたり、洗濯機に小舟浮かべて遊んでたり、という情景描写が秀逸。
尋常でない世界を、たんたんと日常として描ききる構成力、高野さん健在を実感する一冊だ。
河よりも長くゆるやかに
(吉田秋生)

 屈折そのものがまっすぐなんだ!という感じで、陰のある青春を描き続ける吉田氏の作品の中で、ひとつだけと言われれば私はこれを選ぶ。
米軍相手の怪しげなバーでバイトしながら、ドラッグを密売している主人公、と聞くといかにもという感じだが、それを陳腐に終わらせてしまわないところが吉田氏の真骨頂。



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