漫画の100冊 マンガ まんが 昔の 古い いい 残したい BEST ベスト 100
Google
WWW を検索 漫画の100冊 を検索

 漫画の100冊「そのた」の1 

ワースト
(小室孝太郎)

 侵略者ワーストとの過酷な戦いを、3世代にも渡って描く大河ドラマ。伝染病によって次々にワースト化していく人々の描写と、ワーストと戦わざるをえなくなった少年たちの結束と裏切りのドラマがリアルだった。仮にリアリティの部分で今の漫画に一歩譲るとしても、このテーマ性の高さは絶対に色あせない。
ザ・ムーン
(ジョージ秋山)

 巨大ロボットもの全盛以前の、ロボット漫画の傑作、と書くと読む人がいなくなってしまいそうだけど、これは本当におもしろい。
本当だ! 9人の少年たちが心をひとつにすることで初めて動き出すロボット・ムーンを巡る争いを描きながら、正義とは何かを真剣に突き詰めようとしている。スケールの大きな作品だ。
サザエさん
(長谷川町子)

 これって結構読んでない人多いよね。読み返してみて思うのはワカメちゃんがやたらかわいいということ。巻き寿司をつまみ食いしてきたカツオがワカメを口止めしようとすると、既に丸ごと1本ちょろまかしていた…。といった無邪気さがたまらない。文庫も出たことだし、ここらで日本文化の再確認もいいのでは…。
林檎ものがたり
(田渕由美子)

 いわゆるオトメチック漫画の中心作家が田淵さん。フォークソング的な色合いの強い(かぐや姫じゃなく、「学生街の喫茶店」のガロ)作品が多い。この作品は林檎を狂言回しに、3人の娘の恋愛を描くオムニバス。学生街の喫茶店や貧乏画家が闊歩している。全体に雰囲気がいいのだね。誰もが憧れる世界じゃないかしら。
デビルマン
(永井 豪)

 永井氏の存在が意外に無視されていることに憤りすら感じる。巨大ロボットものの、裸漫画の、心理漫画の元祖だというのに。人間の心の奥底にある狂気を描くことにこだわる氏の、最もよくできた作品がこのデビルマン。狂った集団に文字どおり引き裂かれるヒロイン美樹の姿がなんとも衝撃的だ。怖くてかっこいい漫画だった。
コミック昭和史
(水木しげる)

 鬼太郎の水木さんの自伝である。歴史の渦に翻弄されながら、あの独自の世界へと到達した道筋が実によく伝わる。水木さんの作品ではいつも、生と死の境目は曖昧だ。鬼太郎も悪魔くんも、河童の三平も、平気で黄泉の国を往来している。それは、死線を超えて彷徨った太平洋戦争下の密林の記憶から来るものだったのだ。



ホームに戻る

amazon.co.jp *book